Mrs. Lamentの囁き

割礼/血と雫のギタリスト、山際英樹氏のギターが大好物♡

2018年05月

伊東篤宏さんがDramaturgieや舞台装飾に関わるというので行きたくて仕方がなかったBLACK OPERA 。でも割礼関西ツアーとだだ被り。遠征前に疲れるのは避けたかったので前夜祭も諦めようと思っていたものの… 水曜日のBLACK OPERAに関するDOMMUNEで演奏したテンテンコさんと伊東さんがいつも以上にかっこよ過ぎて諦めきれなくなってしまった。ベルリンから来日中のGROUP Aも妙に気になるし。

というわけで急遽予定を変更して前夜祭に行ってた。
会場に一歩足を踏み入れたら、そこはもうサイバーパンクな世界。素敵!
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☆伊東篤宏さんの作品。装飾だけでなくメタルパーカッションの役割も果たす。

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☆左上にはもう一つの伊東さんの作品が。起動させるとパイプがクルクル回って音が鳴る。

ロビーにもたくさんのオブジェが。
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出演は志人、KILLER-OMA x スガダイロー、ZVIZMO、GROUP Aの4組。
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ステージの照明とRocapenisによる映像も大変に美しかった。バックで光る蛍光灯も伊東さんの手によるものだろう。
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☆志人

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☆KILLER-OMA x スガダイロー

中でもGROUP Aの時のRocapenisの映像は秀逸だった。映像は演奏を盛り上げるための背景としてではなく、音楽と互角の存在感を示していて、音と映像の完全なるコラボレーションだった。
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☆GROUP A。ノイズでパンクでjジャーマン・New Waveでアバンギャルドで半端なくかっこ良い。会場で買った3rd アルバムもすごく良かった。いいもの観た!

ZVIZMOは伊東さんのオプトロンの明滅を効果的に見せるために照明と映像は控えめに。BLACK OPERAのテーマと会場の雰囲気に合わせ、いつもより重々しく金属的な音も多めのインダストリアルな内容だったと思う。
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昨年の【This REmortal Coil】もめちゃめちゃかっこ良かったし、どうやらGoethe-Institutで開催されるノイズイベントは間違いがないみたいだな。今後も要チェックだ。

先週金曜日の山際さんのソロ演奏にて。終盤激しくフィードバックをかける山際さんがものすごくカッコ良かったので堪らず激写。
ギターをここまで持ち上げるとかかなりレア~♪
こういう激しい演奏は割礼や血と雫ではちょっと観られないソロならではの醍醐味の一つなのだ。


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金曜日は阿佐ヶ谷ハーネスで3ヶ月ぶりの山際英樹さん(割礼/血と雫)のソロライブ。対バンは初めて観る利光暁子さん。その穏やかな容姿からは想像つかない思い切り歪ませたギターに優しいボーカルがのって、とってもドリームポップで素敵だった。とてもいい対バン♪

この夜のライブについての山際さんのブログはこちら。

あさぎさんのブログはこちら。


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山際さんの足元はソロ演奏の定番のセット。やっぱりルーパーとオクターバー使い大好きだわぁ。
このところ血と雫のライブが無いので、この2つを観られるのはソロの時だけだから貴重な機会。じっくりと堪能いたしましたとも。(当然顔はニヨニヨが止まらず。
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オクターバー+ファズ+オーバードライブ+ボリュームペダル+トレモロアームの合わせ技が生み出す重低音ノイズはいつ聴いても悪党味あふれていて素晴らしい。山際さんの真骨頂の一つ。震える。

中盤辺り、ボリュームペダルを使ってバイオリン奏法を試みていたもののちょっと音量が足りない部分があって、ん?どうするのかなと見ていたら、すかさずギターのボリュームつまみを使ったバイオリン奏法に切り替えていたのは何気に今回のライブのレア・ポイントでした。臨機応変な対応はライブならではだし、そもそも山際さんはつまみを使ったバイオリン奏法はあまりやらないから。

ギターもソロ定番のSeymour Duncanのストラトキャスター。厚みのある実に良い低音が鳴る♪ 血と雫専用機の黒のMOONのテレキャスを使っていた頃より、このギターになってからのソロ演奏の音の方がより好み。
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☆昨年ピックアップを現在のものに変えて以降ソロの定番ギターとなる。

今回は最近の定番曲と新曲が交互に現れる構成。新曲は3曲くらいあったと思う。ギターを弾きながら思案顔でエフェクターのつまみを微調整する姿が多く見受けられたが、これは新曲の音色を模索中だからだろう。(どのように音作りをしているのかが見えるので、こうした調整が見られるのはとても嬉しい♪)
そういえば、曲の途中でギターを弾きつつ機材の山からスライドバーを探し出して使いだしたりなんてこともしてましたっけ。これも演奏中に閃いたんだろうなぁ。

しかし3ヶ月も間が開くと、新しいリフや音色が次々と導入されるな。ノイズのバリエーションも今回格段に増えたと思う。
バンド・アンサンブルが重要な割礼や血と雫と違い、ソロ演奏には前衛的なものや壊れたものがお好きだという山際さんの嗜好が誰はばかることなく顕著に現れているために、全体的にいわゆるロックとは一味違うダーク・アンビエント感が強くでているのが特徴。でも今回新曲に導入されたノイズは私が最近とても好んでいるVELTZのアナログテレビや伊東篤宏さんのオプトロンのようなアナログ機械系のノイズに近いものがあって、自分の中では「インダストリアル」のキーワードが新たに追加されたかなと思う。
実際山際さんのソロライブの直後に_DEFUNCTNESS / A. N. T.『Sporadic』を聴いたところ、ほとんど違和感なくすっと繋がったので、山際さんのギターが構築する音像とこの辺りのインダストリアル・アンビエントは親和性が高いのではなかろうか。

また、いつもはラインセレクターで左右2つのアンプに直繋ぎするギターを今回は珍しくPAに繋いだことで曲にリズミカルな躍動感が加わったのも新たな発見。その結果、例えば終盤の新曲にはこれまでとは一味違うアンビエント・テクノのような雰囲気が醸し出され、お!これは新機軸か!と、とても印象的だった。
2月17日東北沢 otooto でのソロライブの際にPAに繋いだところ、ことのほか音が良かったのに味を占めたとのこと。 ← ライブ後にて本人談

こうした様々な変化は果たして今後定着するのか否か。定着するとして、それがどう進化していくのか。7月21日八丁堀七針『unknown wave 3』でのソロ演奏からますます目が離せなくなってしまった。楽しい♪
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☆hofli名義でも活動されている津田貴司さんの企画 『unknown wave』 第三弾にいよいよ山際さんが登場。
こだわりある音作りをされるミュージシャンが集まった企画なので、面白いこと間違いなし。

なお、このライブについての山際さんのブログはこちらです。

柿崎氏によるフルライブ動画も公開されたのでぜひ!

ところでこれまでテレキャス用の紫のギターケースに無理矢理ストラトを入れていた山際さんは、今回ストラト専用のケースを新調。濃紺に茶色のアクセントがとてもシック。できる男のビジネスバッグみたいじゃないか。当夜の衣装の青とグレーのチェックのシャツとも良くマッチしていて素敵でした。
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☆暗くてわかりにくいが、濃紺のボディにこげ茶のヘムとラインでアクセントがついている。

割礼遠征2日目は難波BEARS。
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清川UTEROで2回対バンしている福岡のtepPohseenのレコ発企画。対バンは地元のヰタセクスアリス
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ベアーズは話にはよく聞いていたけれど来るのは初めて。山際さんのブログによると割礼がここに出演するのは本当に久しぶりらしい。

山際さんからいただいたセトリがこちら。
アンコールに「Into」。

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前夜の京都からたった1日しか経っていないのにもかかわらず演奏がまた進化/深化していた。毎回が新たなる試み。本当に各パートの音作りとトータルとしての音像世界の構築に対して飽くなき貪欲さを見せるな割礼は。90分全9曲なのに体感では20曲は聴いたボリューム感だった。
それにしてもこの山際さんの多彩なギターの聴きどころ満載の「電話の悪魔」から同じく聴きどころ満載の「ルシアル」への流れは反則♪ もうこの時点でお腹いっぱいでした。

で、今回トレモロを持ってきていないから演奏しないだろうと思っていたその「ルシアル」。これ、今年2月28日のライブと同じシチュエーションですな。
そんなわけで、今回も後半部分は2台のディレイのみ(メインはYANAHA)で演奏。ふわふわとした浮遊感はなくなったものの、ディレイのシンプルだけれど深みのある響きは当夜の割礼の雰囲気にはとても良くマッチしたと思う。2月の時のようにトレモロが無くて残念とは思わなかった。ハコによってはあまりふわふわし過ぎない方が良いこともあるのかも。

京都と共に大阪でも演奏された割礼の「新曲」。(タイトルはまだ無い。) これまでひたすら甘く柔らかな綿菓子みたいなイメージだったけれど、なんだろう、今回は堅牢でありながら同時に柔らかな感じだった。全体は柔らかだけれど、芯はしっかりしていると言えばいいのかな。外はふんわり、中サクサク… スイーツか。 いや、この曲は初めて聴いた時からなぜかしらスイーツのイメージなのだ。

ところで山際さんはライブにおいて2度と同じ演奏を繰り返さないことはもう分かっているのにもかかわらず、前夜の京都で「Into」のギターがこれまでとは大きく変わっているのにびっくりした。2ヶ月前とはもう全然違う。おまけに大阪ではそこにまた新たなアレンジが加わっていた。そしてこのバージョンかっこ良い! これ、しばらく定着しないかな。それとも次回はまた大きく変わるのか。うーん、いつもながら予測不能。

予測不能はもう1件。「のれないロックンロール」途中で思いがけずいきなり転調したのには動揺するほどびっくりした。まさかいきなり大阪でそんな大胆なアレンジをしてくるとは思わなんだよー。 正直コード間違えたのかと思ったー。 なに動揺してるの(笑)って言われたけれど、びっくりするってー。ほんと割礼、油断ならんな。

ちょと落ち着こう。

関西では山際さんを観察しつつ松橋さんのドラムにも同じくらい注目していたが、スティック捌きや叩く位置、そしてタイミングを変えることで細やかな音作りをしているんだなと今更ながら気づいた。スティック一つ(時にマレット)で軽快さ、重厚さ、硬さ、柔らかさ、激しさ、穏やかさなど実に多彩な感情や感覚が表されている。
割礼のドラムは一見(一聴)単調に感じるけるれど、こんなふうに結構作り込まれてるうえに、実は毎回ライブごとにさり気なく変わっている。だから同じ曲なのに何度聴いても飽きないわけか。うーん、なるほど。松橋さんは実は山際さんに負けず劣らず緻密な音作りにこだわっている職人だということね。

そのもう一人の職人の山際さんにギターを弾いていない時がまた一段と素敵なんですよ~、と伝えたら、ギターを弾かないのがいいのか!とつっこまれまして。 あいや、そうではなく、音と音の間がとてもいいのであります。余白の美。でもこれは山際さんに限ったことではなく、割礼全体についても言えることだわね。
大阪に移動する前に訪ねた京都の大徳寺大仙院で見学した室町期の方丈の枯山水。割礼の紡ぎ出す音の外連味や過剰な装飾の無い美しさに、その庭の侘び寂の美しさを思い出した次第である。そういう意味においては割礼の音楽は実に日本的な美学に基づいているといって良いのかもしれないな。

先週末は割礼を追いかけて今年2度目の遠征へ。1日目は3度目の西院OOH-LA-LA。対バンは東京のSister Paulと地元のLoved Loved
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3月11日のワンマンから2ヶ月強のブランク。最近はもっぱらノイズやフィールド・レコーディングを好んで聴いていて、いわゆるロックな音楽からは遠ざかっていたものだから、果たして今更割礼でトキメクのかしら…と実はちょっぴり不安に思ってもいた。でも演奏が始まった途端、そんな危惧は消し飛んでしまった。ああ、そうこの音、この音なのよ! 割礼の紡ぎ出す音像、そして山際さんのギターの音と重ね方は他では得られない今一番好きで大切なものに変わりなかった。

OOH-LA-LAは午後10時で演奏ストップが決まり。最後の「HOPE」が終わった時点で10時10分を回っていたのでアンコールは無し。従ってこの夜演奏されたのはこのセトリどおりの全6曲。

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☆山際さんからいただいたセトリと当夜の演奏で使っていたピック。ピックは「遠征費」として。

…のはずなのだが、実はここにスリリングかつ嬉しいサプライズがあったんですね。
以下ネタばらし。

Into」が終わった直後、松橋さんが苦笑いでハイハットを取り外し、ネジの部分をしきりと調整している。でもどうもうまくいかないみたい。そういえば、一番手のSister Paulも1~2曲終わるごとにハイハットを外しては付け直していたっけな。不具合か。でも問題は「Into」は速くて短い曲なので、演奏が終わるとすぐ次の演奏に取り掛かること。ええ・・・これ間に合わないんじゃ・・・ 案の定宍戸さんは後ろを振り返ることもなく「電話の悪魔」のギターを弾き出した。山際さんも気づいていない。鎌田さんだけは不安げな面持ちで松橋さんを見つめつつベースを入れる。ううーん、誰も演奏止めんぞ。どうすんだ・・・ とハラハラしていたら、さすがに肝心のドラムが入らないもんだから宍戸さんがゆっくりと振りかえり演奏を止めた。続いて振りかえった山際さんも「へっ、どした?!」の素振り。ここでようやくハイハットのネジの交換に至る。
(ここまでだれも止めないの凄いな。もし宍戸さんが演奏を止めなかったら、きっとそのまま何とかして演奏していたんだろうな。)

さて、ネジの交換にはそれ相応の時間を要する。どうしたものか。
リーダー宍戸さんの発案、それは弾き語りの「革命」。 思いがけない宍戸さんのソロ。宍戸さんの弾き語りって東京にいてもなかなかお目にかかれないほどレアなので、この夜のお客さんは本当にラッキーでした。
たっぷりと「革命」を歌い終えた時にはハイハットの修理も完了しスタンバイオーケー。何事もなかったように「電話の悪魔」の演奏がスタートしたわけなのです。

前回(8月19日)の演奏ではほとんどギターを入れないアレンジに大幅変更していた「電話の悪魔」。この夜は以前の冒頭からがっつりとギターを入れるバージョンとのちょうど中間くらいのアレンジに変わっていた。
4年前、その全編にわたる多彩な職人技を聴いたことで山際さんのギターへの興味を募らせるきっかけとなった「電話の悪魔」。だからギターを入れなさすぎるのも物足りないなと思っていたのだが、今回前半のギターの音数を若干増やしつつも抑え目にしたことで、かえって終盤に炸裂するファズを踏んだギターソロの輝きが増したのはなかなか良かった。あえてじりじりとさせて期待感を高めておいてから放つ豪快なギター。萌える。これ、一言でいえばSっ気のあるギタープレイってことかね。

HOPE」が最後に演奏されたのは昨年の1月14日。実に1年4か月ぶり。最近割礼ファンが集まると、そろそろ「HOPE」が聴きたいよねと熱く話していた。きっとね、その思いが通じたんだろうな。宍戸さん、ありがとうございます。東京のお留守番組にもぜひ聴いてほしいので、6月1日の三軒茶屋 Heaven's Doorのライブでも演奏してほしいな。
ところでそのHOPE」のラスト、ファズを踏んだ山際さんのギターが、前衛的なものや壊れたものがお好きだという山際さんならではの、ちょっとソロ演奏を彷彿とさせる変態みのある音だったものだから、思いっきり食いついてしまったわ。 今週金曜日(25日)のソロライブが否が応でも楽しみになるじゃないか。

OOH-LA-LAはいつもの山際さん寄りの定位置に座るとモニターの関係で山際さんがほとんど見えなくなってしまうし、かといって鎌田さん寄りに座ると今度は鎌田さんがスピーカーの陰に隠れて全く見えなくなってしまう。そんなわけで珍しく宍戸さんの真正面に座ったのだが、それで気づいた。割礼って皇子様の両脇を眼光鋭い仁王様が、後ろを大僧正が守っているから揺るぎないんだわねー。
大魔王軍団だったり聖域に守られた王子様一行だったり、いずれにせよ割礼は人並外れているってことですね。

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☆山際さんのエフェクターボード。今回はトレモロ無し。モニーターのせいで演奏中は見られなかった・・・

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☆山際さんのギター。割礼定番のProceed白のテレキャス。今回しゃがみこんで低い姿勢でフィードバックをかける姿が多くて眼福。「HOPE」のタップテンポを足ではなくて座り込んで手で掛けていたのもレア~。

関西ツアーに関する山際さんのブログはこちら。⇒ http://yamagiwa3.blog27.fc2.com/blog-entry-311.html

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