もうそろそろ2週間になろうというのに未だに余韻に浸って抜け出せない。書いておきたい事や思いが募ってレポも全然まとまらない。それほどに二日間かけて行われた割礼の『のれない R&R』レコ発ワンマン東京編は最高だった。
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抜かりなく両日とも定位置に陣取る。マンダラ2は最前列に座るとモニターに邪魔されることなく足元がばっちり見えるのが良いね♪  今回たくさんのパーカッションが設置されているため山際さんがぐっと前に出ていたこともあって、大阪のムジカジャポニカの時よりも距離が近かったかもしれん。目前で展開する山際さんの職人技。眼福でしかない。(*´∇`*)
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いつもは中央に位置する松橋さんはぐっとベース寄り。村瀬さんとはお隣同士。
宍戸さんは今回珍しく2本のギターを使い分けていましたね。新曲は全て定番の黒いギターの方で演奏していたと思う。
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11月に京都、大阪、名古屋とレコ発ツアーを追いかけたけれど、東京編の一番大きな違いは割礼の元ドラマーであり今回の新譜ではパーカッションで参加された村瀬 "Chang-woo" 弘晶氏の存在。必然的に新譜収録曲はアルバム・バージョンに近い形で演奏されたわけで、レコ発ライブの完成形を観た感じだ。特に「ビアタタ」と「アキレス」は新譜バージョンが好きなこともあってパーカッション必須だなという思いを強くした。それにしてもパーカッションが入るとものすごく華やかになるわね。お祝いの大きな花輪がいくつも飾られている、そんな祝祭感に溢れた音だったなぁ。隣の松橋さんが時おり村瀬さんと目を合わせてはとても楽しそうに嬉しそうに演奏していたのも強く印象に残っている。打楽器仲間との絡みはきっとものすごく面白かったんだろうな。

両日のセトリ。
初日の20日は2部構成。第1部は通常どおりメンバー4人で旧譜からの代表曲を4曲演奏。4曲とはいっても内3曲はスローで長大な曲なのでボリューム満点。休憩を挟んで第2部からは村瀬さんが加わって新譜からの曲を中心に7曲。アンコールは5人で「G. P. U.」。合計12曲。
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二日目は休憩を挟まずぶっ通しで本編全11曲。村瀬さんは4曲目「INスト」からアンコールまで参加。この夜のアンコールは「G. P. U.」と「Love?」。合計13曲と前夜より1曲多かった。(メンバー全員と村瀬さんに加え、新譜のアートワークを担当された漫画家の山本ルンルン先生のサインまでいただいてしまった。宍戸さんが「ありがとう」と書いてくださったのもとても嬉しい。宝物
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新譜からの曲とアンコール1曲以外は曲の被りは無かったので、二日合わせて演奏されたのは全部で17曲だったのか。それでもまだまだ聴きたい曲がたくさん。ほんと名曲揃いだな、割礼は。

新曲の中に差し込まれた割礼の二つの代表的超大曲「リボンの騎士」と「溺れっぱなし」は紛れもなく今回のハイライトだった。パーカッションの入ったバージョンは初めて聴いたけれど、なんなんだ、この圧倒的な音のボリュームと神話的叙事詩を思わせる壮大なスケール感は!あまりの荘厳さに演奏が終わってもしばらく現実に戻れなかったわ。圧巻という言葉でも足りない。割礼史に残る凄まじい演奏だったのではないだろうか。「リボンの騎士」終盤、終わりを嗅ぎつけた山際さんがエンディングのリフを弾きかけたものの、宍戸さんがそのまま演奏を継続したのですかさずエフェクターの設定を戻して合わせていたのは何気に面白かった。(・∀・)「溺れっぱなし」後半で山際さんがフィードバックをかけまくっていたのも良かったなぁ。(*´∇`*)
★写真右が「溺れっぱなし」でフィードバックをかけているところ。ちなみに左は「Hope」でのボリューム奏法。
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マンダラ2の割礼はいつも柔らかでアコースティックなイメージなので、きっと今回もそうだろうと思っていたらあにはからんや、11月のツアーの時以上にエッジが効いてザクザクとハードな音だったのにはびっくり。初日の1曲目「散歩」で宍戸さんのギターが鳴った瞬間のあのヤバさたるや!耳栓をしていなかったら久々にライブ後に耳がモヤっとしましたっけ。(鎌田さんも耳がおかしくなったらしい。( ̄▽ ̄;))でもそんな爆音大音量にもかかわらず全ての、それこそ細やかなギターの爪弾きや様々なパーカッションの繊細な響きまでも聴き取れるバランスの良さ。そしてちっとも耳障りでない轟音。割礼のこの細部まで神経の行き届いた絶妙な音作りには毎回驚かされる。ほんと音作りの職人集団だわよね。

今回のマン2では重低音の響きも容赦なかった。下手奥で静かに淡々とベースラインを奏でる鎌田さんはその立ち姿も格好よく、しばしば目を奪われてしまったが、そのベース音は耳で聞くというより空中と床を伝わってくる音の厚みを身体で受け止める感じ。「ビアタタ」のベースなんて巨大なウッドベースのようだったわ。「INスト」の宍戸さんの中盤のギターもそれはそれは重たかった。ストーナー、いやいやドゥームかというくらいの激重さ加減。あんなに重厚に唸る宍戸さんのギターは初めて聴いたかもしれない。

山際さんの足元は11月のツアーと同じセット。
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4か所のレコ発ツアーの中で歪み系の音の抜けは今回の東京公演がピカイチだった。例えば「G. P. U.」の後半の決めのオーバードライブを踏む部分、京都や名古屋では迫力が今一つ足りなくて正直消化不良気味だったけれど、今回は完ぺき!特に初日の音の抜けはばっちりで大満足~♪ (*゚▽゚*)  硬質で鋭い切れ味のROGER MAYER VOODOO-AXEと骨太で悪党なZ-VEX Fat Fuzz Factoryの作り出す音は実に殺傷能力高そうで最高でした。(VOODOO-AXEの切れ味の鋭さはカミソリではなくて肉厚で刃渡りのある刃物といった感じ。殺傷の力高いよね、それは。( ̄ー ̄))その一方でディレイのかかった音は硬質な中にも柔らかさを兼ね備えていて、単にふわふわと柔らかいのではなく、ぱっきりとした芯のある音が厚みのある柔らかさをまとっているといった印象。とてもメリハリの利いた音になっていたなと思う。
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先に書いた通りとてもステージに近かったため山際さんの演奏の一部始終を観察することができたが、あらためて音作りの細やかさに目を見張った。例えば「ビアタタ」はVOODOO-AXEのオンオフの切り替えが頻繁に行われていて、それこそ1音のためだけにエフェクトが掛けられるなんて言うことも。「ビアタタ」はボリューム奏法やスライドバーを使うなど多彩な演奏のオンパレードで山際さんは足元も手元も大忙し。派手なギタープレイはないけれど、職人技が堪能できるのでマニアとしてはとても楽しいのだ♪ (* ̄∇ ̄*)エヘヘ

今回のレコ発では宍戸さんのギターの合間に聞こえてくる山際さんのギターのリフにドキッと心を奪われてしまうことがしばしば。「電話の悪魔」や「怪人20面相」のようにガッツリとメインでギターを聴かせるのももちろん素敵だけれど、一歩後ろに引いた中でさり気な~くスパイスのようなリフを入れてくる山際さんも格別だよなぁ。こういう隠し味的なギターって実は山際さんの真骨頂だよなぁ、などとあらためて思ったりもして。いろいろと発見があったわね。(●´ω`●)

発見と言えば、2日目の宍戸さんのMCで(宍戸さんのMCもレアよねぇ。)ストライプ」はその昔村瀬さんともよく通った今池のお店のことを歌っていて、そのお店は雨が降るといろんな音が聴こえたというエピソードを明かされた。あ、だからアルバム・バージョンの「ストライプ」にはポロンポロンコロンコロンという雨だれみたいな音が鳴っているのか!なるほど〜。こんな貴重な裏話を聞けたのも村瀬さんを迎えてのレコ発という特別の場だったからなんだろうな。

今年最後の割礼と山際さんのライブをこんな極上の演奏と特別感あふれる雰囲気で終えられて本当に良かった。もうすっかりロス…と思っていたけれど、もう来年のスケジュールが次々と決まってきているから、山際さんのコメントどおりロスっている暇ないわね。

ということで、ライブ活動は来年に続く。(. ❛ ᴗ ❛.) まずは1月19日、TRANSPARENTZとの対バンで京都METRO。新年一発目から遠征だ~ (´▽`)  来年も山際さんの携わるライブを全通できたらいいなぁ。(ちなみに今年も昨年に続きコンプリートいたしました。(* ̄∇ ̄*)エヘヘ)