Mrs. Lamentの囁き

割礼/血と雫のギタリスト、山際英樹氏のギターが大好物♡

タグ:BarIsshee

新型コロナが地球上のあちこちで猛威を振るっている最中の3月。山際さんのライブは図らずもアコースティック・デュオとオリジナルのバンドという二つの形での血と雫楽曲の演奏となった。

まずは3月19日(木)阿佐ヶ谷ハーネスにて昨年9月7日以来の森川誠一郎+山際英樹 duo のライブ。
この夜についての山際さんのブログはこちら。⇒ http://yamagiwa3.blog27.fc2.com/blog-entry-368.html
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二部構成で血と雫の4枚目のアルバムから1枚目のアルバムまで順を追って遡る構成。前回同様Matsuda Azusa氏の投影する雲の画像と歌詞を背景に演奏が進む。MC少なめで曲紹介も無し。密やかなクラシックギターの調べと言霊のような歌だけの、一切の無駄が削ぎ落とされた純然たる音の世界はとても静謐で、空や宇宙を思わせる映像とも相まってふと浄夜という言葉を思い出してしまった。
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28日はエレキギターをぶちかますとブログで宣言されていたので、楽曲のダイナミックになるであろう変化がとても楽しみ。

そして迎えた3月28日(土)。何日も迷いに迷った末、千駄木Bar Issheeへと向かう。会場に着いてもなお、果たしてこれは正しい選択なのかと迷い続ける。なぜ迷ったのか。新型コロナウィルス感染者の増加に歯止めがきかず、東京都知事から緊急に週末の外出自粛が要請されたからではない。新型コロナウィルスのステルス性と無症状感染者の存在 ― 感染しているにもかかわらず、時には肺炎まで併発しているのにもかかわらずPCR検査は陰性で胸部レントゲンでも異常が認められないケースが少なくない。おまけに無症状でも感染率は変わらない。― を危惧したのである。体調はいたって万全ではあるけれど、自分がクリーンである保証は何一つない。よしんば感染者ではないにしても、お店まで移動する道程で自分の手や衣服が汚染され、お店にウィルスを持ち込むかもしれない。演奏を聴きたいという自分のわがままのせいでお店や出演者や他のお客さんに迷惑をかけることになったらどうするのか。大切な山際さんが感染したらどうするよ。一生後悔するわ。。・゚・(ノД`) 悶々・・・ 演奏には集中して楽しんではいたものの、一度芽生えてしまった疑問符が消えることはなく、だからライブが終わっても手放しで良かったと喜ぶことは正直できなかった。
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この夜は元々高橋幾郎氏はメノウというバンドで、森川さんと山際さんはデュオで演奏するはずだったが、新型コロナの影響で高橋さん一人が上京。結果的に血と雫として演奏することになったそう。森川さん、山際さん、高橋さんの3人によるバンド形態の血と雫は2016年の恵比寿BATICA以来らしい。うーん、やっぱりこのオリジナル編成が一番実験的で面白いや。山際さんのルーパー使いが見られるのとオクターバーが大活躍するのもこの形態のみで、そこも個人的にはポイント高い。(ソロの時の演奏にかなり近いスタイル。)
        ★黒のMoonのギターも超久々。
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それにしても死の存在をとても身近に感じる今聴く血と雫はリアリティあるよな。同じ曲なのにこれまでとは受け止め方がだいぶ異なる。これまで抱いていた幻想的という一言では片付けれない切実さというのかな。上手く言えないけれど… ポスト・パンデミックにおける血と雫楽曲の有り様は自分の中でかなり変容するかもしれんな。そんなことをふと思ったりした。

この夜の裏話も書かれた山際さんのブログはこちら。⇒ http://yamagiwa3.blog27.fc2.com/blog-entry-369.html

会場ではできるだけ喋らず(本当は全く会話しないつもりだったけれど、二言三言は交わさざるを得なかった。)、できるだけ触らず、ライブが終わったら速攻で帰宅の途についた。

帰宅してから事態が収束するまでもうライブも含めたお出かけはやめにしようと心に決めた。4月の山際さんのソロライブも行かない。大切な人を守るためには Stay Home しかない。そう思っていたところ、4月に入ると次々とライブが中止になっていった。山際さんのソロも割礼のライブも延期、あるいは中止になってしまった。とても残念だ。キャンセルの続くお店のことも心配。でも同時にほっとしてもいる。

次に山際さんの演奏を観られるのはいつになるのだろうか。その日まで皆様無事でありますように。
阿佐ヶ谷ハーネスの支援に通販でドリンクチケットたくさん買った。これからTシャツも出るみたい。できるだけのことをしたい。
阿佐ヶ谷ハーネス通販 ⇒ https://harness-online.stores.jp/


昨夜はBar Issheeで加藤崇之池間由布子デュオ。これが初顔合わせだそう。
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池間さんは加藤さん用の楽譜を書いてきたものの、どの曲を演奏するか言わないし、ちっとも譜面どおりに演奏しないし歌いもしない。楽譜の意味がない。結局休憩を挟んで後半が始まるやいなや、加藤さんはあってもどうせ見ないからと楽譜を片付けてしまったの笑った。ψ(`∇´)ψ でも楽譜から離れて自由度が増したら加藤さんの演奏の面白さも増して、その加藤さんに呼応して池間さんの演奏がますます面白くなり、すると加藤さんが…という具合に面白さが倍加していったのすごかった。

池間さんの透明感のある名曲「拝啓、朝」が途中からノイズを交えたインプロみたいになって延々と攻めたフリーセッション。どうなるのかね?と面白がりながら成り行きを見守っていたら、加藤さんがガラリとギターを変えてしっとりとした曲へと違和感なく移行。あの展開も見事だった。

加藤さんの機材。テーブルの上にはBOSSのPitch ShifterとDigital Delayと古いKORGのマルチエフェクター。足元のBOSSの黄色のエフェクターはOver Driveでしょうか。その隣にBOSSのボリュームペダルFV-50H。昔山際さんが使っていたやつ♪  (´▽`)  ライブ開始早々ボリュームペダルを使ったバイオリン奏法が繰り広げられてツボにハマる!加藤さんのギターは初めて聴いたけれど、なんとなく山際さんのギターに近いものがあるような。とても好きなタイプの音色とスタイルだわ。(・∀・)
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加藤さんの周りにはエフェクターの他に空き缶やら音の出るおもちゃやらが置いてあって、傍らに置かれたバッグの中にはたくさんの鳴りそうな物が詰まっていた。ギタリスト(それも達人レベル)なのにガラクタまでも巧みに演奏の一部にしてしまうの、石川浩司さんみたいだ! 下の写真はくしゃくしゃと音を立て終わったら ポイッ と、ほんとに笑っちゃうくらいに ポイッ と無造作にエフェクターの上に投げ捨てられた紙と大きなコウモリ(おもちゃ。鳴く。)。Σ(・ω・ノ)ノ
池間さんがコウモリと共演するとは思わなんだ。w(゚o゚)w オオー!
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アンコールではいきなりドラムスティックを手にして現れた池間さん。加藤さんに「なにするの(笑)」とつっこまれるとダルブッカに持ち替え「それ好きですね♪」がキーワードのフリーセッションに。あのスリリングな楽しさ、なんだかEXTREME NIGHT Extraみたいだったわ。(*´艸`)
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それにしても前半途中、ステージの暑さから加藤さんのかっちょいいギターに「脳みそ腫れたら戻らない」とかいう歌詞を乗っけちゃう池間さん。脳みそってwww ψ(`∇´)ψ 好き

共演者や会場の雰囲気によっていかようにも変わる不定形な池間さんの暴投気味悪送球すら事も無げに楽しそうに受け止めて変化球交えて投げ返す加藤さん。それをまた楽しそうに受け止めては返す池間さん。初共演とは思えないお二人のまさに打てば響く絶妙なコンビネーションがほんと凄くて瞬きするのも忘れてしまった。またもや名コンビ誕生。次の共演が待ち遠しいな。

EXTREME NIGHT R Vol. 3
Unit D: 山際英樹 (g) + 原田仁 (vo) + イトケン (dr) + テンテンコ (electronics) 


山際さんは他でもないテンテンコさんと一緒のユニット!山際さんとテンテンコさんが同じステージにいるという事実だけでもう私得過ぎる!(*⁰▿⁰*) そして山崎阿弥さんか原田仁さんのどちらかが同じ組みだと良いなと思っていたら、原田さんが一緒!最高でしかない組み合わせ!.。゚+.(・∀・)゚+.゚
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このユニットは全編に渡ってダークでとても良かった。アバンギャルドさも全4組の中で一番だったかも。演奏開始早々ボリュームペダル+トレモロアーム技を連発して何度も空間を歪ませた山際さんはスライドバーを使って水琴窟のようなキラキラした音を入れたり、ピックと指弾きをこまめに使い分けたりと相変わらずの職人ぶりを発揮。

しかし、てっきりZVIZMOの時のようにテンテンコさんが繰り出すビートでリードしていくのかと思ったら、あにはからんやイトケンさんの刻む変拍子の多彩なドラムを屋台骨に、そこへ原田さんのアグレッシブなボイスがのるという形で全体をリード。テンテンコさんは全編に渡りビート控えめで、スパイス的な空間系の音作りに徹していた。まだ若いのにガツガツ不必要に前に出ることはせず、ちゃんと全体のバランスを見て音作りをしているんだなとあらためて舌を巻くなど。

この夜の山際さんのギターとエフェクター類はソロの時のセット。
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山際さんはスタートからテンテンコさんと呼応するように仄暗いミニマルアンビエントな音多めで、演奏に抽象的な味わいを加味していた。echoing through the hollow corridorといった感じのギターの響き。とても好みなやつ。ん?もしかして今回はこのまま控えめな音作りでいくのかしら?と思っていたら、中盤辺りからいつもの悪党な音が顔を出し始めた。原田さんのハーシュなボイスに拮抗するかのようにグイグイと攻めこむ歪んでクレイジーなギター。それもいつものようにしれっと。理知的なマッドサイエンティストはこの夜も健在でございましたね。(* ̄∇ ̄*)エヘヘ 

ユニットの中で唯一の弦楽器でそれもギターなのに一向にメロディーを弾かない中、終盤近くで原田さんのボイスとイトケンさんのドラムが炸裂するカオスな展開の中でクリアな音の美メロを淡々と合わせていたところとかね、あ、ここであえてクールにそんなメロディを?!w(゚o゚)w オオー! この夜のツボポイントの一つでした。

後半山際さんが作り出したリズムとリフから曲が発展していった部分はちょっとおおっ!と思いましたっけ。(*´∇`*) 

そして終盤は一転して静かに穏やかにミニマルに。虚空に消えてゆく音の粒・・・
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ここ1年くらいの山際さんのソロ演奏を鑑みて、山際さんのギターの音はテンテンコさんのエレクトロにきっとぴったり合うだろうと思っていたけれど、まさかここまでとは。ソロ演奏の時にも繰り出される各種ノイズが良い感じにエレクトロのみならずボイスにも絡んでいたな。原田さんの激しいボイスと山際さんの悪党なファズがツインボーカルみたいになっていたところなんてテンション高くてカッコ良かった♪ そしてなによりテンテンコさんと山際さんの掛け合いはただひたすら嬉しかった。見所たくさん。どこを取っても私得だったなぁ。(*´ー`*)

うーん、山際さん、まだまだポテンシャル眠らせてるわね。そして親子ほど年齢の離れてキャリアも豊富な山際さん、原田さん、イトケンさんとも互角にやり合ってるテンテンコさん、最高にカッコ良いよな。

今度はグイグイと攻め攻めなビートを連打するテンテンコさんと理知的でクレイジーな山際さんとのコラボが観てみたいなぁ。

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EXTREME NIGHT R Vol. 3
Unit B: 坂口光央 (key) + 佐藤研二 (B) + 岡地曙裕 (dr) + 石原雄治 (perc)

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日曜日のEXTREME NIGHT UNIT Bはサトケンさんと岡地さんの生み出す男っぽく骨太なグルーブがハンパなくカッコ良くて聴いているうちにノリノリ。そこに坂口さんと石原さんの生み出す骨太さとは真逆の繊細なノイズが良い味出してて…って、あらこれAlan Smithee’s MAD Universeではないの!なら間違いないやー、てね。(*゚▽゚*)  本来過去に共演している演者は同じユニットにはならないはずなのだけれど、Alan Smithee'sでの石原さんはドラマーで今回はパーカッショ二ストとしての参加だったからOKということですかね。(・∀・)(石原さんのようにセッションが多い演者が多いから組み込むのが大変なんですよね。( ̄ー ̄))

石原さんはドラマーで参加と思い込んでいたけれど、考えてみれば石原さんの扱う金物類や叩き物の音はとても繊細で空間系な響きがあるから、音にスパイスを加え、かつ空間を彩るパーカッショニストとしてこのユニットに組み込まれたのはイッシーさんのナイス采配だったかも。

Unit C: AH (vo) + 黒木真司 (g) + 早川岳晴 (b) + 吉村由加 (dr)
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UNIT Cは予想どおり全4組の中で一番ハードでロックでしたね。黒木さんの演奏はZ. O. Aや空蝉やA/Nでは観ているけれど、わりといつも同じ顔ぶれなので、こうした初顔合わせのセッションは山際さん同様レアなのではなかろうか。レアと言えば演奏が楽しくてしょうがないという感じの笑顔の黒木さん、そして女子(=AHさん)にあおられる黒木さんもかなりレアだったと思うぞ。

それにしても早川さんの唸りまくるベース凶悪で痛快だー!最初の1音が出たところであまりの凶悪っぷりに思わず吹き出してしまいましたよー ψ(`∇´)ψ 

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EXTREME NIGHT R Vol. 3
Unit A: 山崎阿弥 (vo) + かわいしのぶ (b) + 山本達久 (dr) + 小埜涼子 (sax)
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演奏後半でステージを降りてフロア側に出てパフォーマンスする山崎さん。
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日曜日のEXTREME NIGHTセッションで一番びっくりしたのがUNIT Aの山崎阿弥さんのボイス。パフォーマンスの動画はちらっと観てはいたものの、生で観るのはこれが初めて。演奏が開始するやいなや聴こえてきたのは鳥の声や風の音、森の中のにいるような音、野生の音、機械の音。えっ?これはフィールドレコーディングですか?という音がする。でも足元にはエフェクターなど一切なし。口元で何か操作しているわけでもない。まごうことなき山崎さんの肉声。音が分断してまるでモジュラーシンセですか?な時もあったけれど、やっぱり肉声。(゚ロ゚;)エェッ!?

演奏中、山崎さんの声なのか、かわいさんのベースの音なのか、小埜さんのサックスの音なのか、はたまた山本さんのドラムの音なのか判然としないこともしばしば。人の声ってあんなにも変化自在なものなのか。どんな音でも出るの、本当にびっくりした。以前内橋和久さんのダクソフォンと共演した時はどちらがどちらの音を出しているのか全く判然としないことがままあったという話をライブ後に件のライブを観た方から伺ったが、そうだろうと思う。内橋さんのダクソフォンはしゃべるからなぁ。そして山崎さんの声は時にまるでダクソフォンのようだから。そして両者ともモジュラーシンセみたい。

その後Twitterにて山崎さんからお返事をいただいて、坪口昌恭さんと共演した時に「モジュラーシンセは、私の声の父だ」と初めて感じた事、その後もモジュラーシンセに親和性を感じていることを教えていただいた。そうかー、やっぱりモジュラーシンセはキーワードであったか。曖昧になる人と機械の境界。そしてその境界を軽々と超える山崎さんはやっぱりすごいなとあらためて思った。

いつか山際さんのギターとの共演を観てみたいなぁ。絶対良いと思うのよね。(´- `*)

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